ほうき星を追いかけて

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【西洋占星術】キロン、それは傷か傷痕なのか



薄れゆく苦い記憶


こんばんは、わかばです。

引っ越した先の生活は少しばかり慌ただしいものの、それなりにいいものでございまして。職場の人間関係にも恵まれ、現在は向かうところ敵なしの状態であります。

それもこれも、周りの方々のおかげですね。特に、以前働いていた職場の上司には厚くお礼を申し上げたいところです。まだ若いのに有能極まりなく、ついでに優れた人格者でもありました。ああいう方にこそ人の上に立って頂きたいものです。

そんな中で、唯一気がかりなのがネット環境。ですが、これについては待つ以外に方法がないため、心を無にしてスマホを覗きこむだけです。

落ちつけわかば。何事も内なる平和、内なる平和が大事なのよ。シーフー老師がおっしゃっていたじゃない。

ちなみにシーフー老師は『カンフーパンダ』シリーズに出てくるキャラクターです。本来ならばここでAmazonのリンクを貼るのですが、案の定読みこむことができませんでした。ええい、チキショウ!

今まで出た作品の中で、私が一番好きなのは『カンフーパンダ2』です。特に印象深いのがこちらのセリフ。

「それだよ。傷はいつか治る」

「私は貴様の記憶に傷ではなく傷痕をつけた。永遠に残る傷痕だ」

「じゃあ傷痕は……、薄くなる? 」


現在、確認できる手段がないので一言一句違えずにというわけにはいきませんが、確かこんな感じのことを言っていたような気がします。

でね、この感覚ってキロンに近いのではないかと個人的には思うんですね。

キロンは言わずと知れた傷と癒しの小惑星。不死身であったケンタウロスのお医者様、ケイローンからその名を頂いています。そのため、射手座と関わりが深いとも言われていますね。

ネイタルチャートでは、キロンが入室したハウスに関することで傷を負いやすい(もしくは負っている)と読むことができるのですが、この傷、治るか治らないかでけっこう意見が分かれます。

完治派の考え方は、痛みに立ち向かうことでキロンを才能として消化することができる。最終的にもたらされるのは自己に対する癒しである。
(背景:不死身のケイローンは受けた傷の痛みに苦しんだ末、永遠の命を手放すことで安息の時を得た。死後、彼はゼウスの手によって射手座となった)

一方で、生傷派の考え方はキロンの傷は一生治らない。だが、他人の痛みを和らげることはできる、ですね。
(背景:母親に捨てられたせいで心に傷を負い、肉体に受けた傷も治すことができなかったケイローンだが、医者として多くの人を癒してきた過去がある)

神話に基づいた意見ですから、割と癖のないメジャーな考察だと言えますね。正直、どちらを採用するかは個人の好みだと思います。

私自身はやや生傷派よりですが、常に傷口がパックリと開いているとは考えておりません。先述した通り、キロンの傷は徐々に傷痕として残っていくのではないかと。

できたての頃は酷く痛む傷ですが、適切な処置をすればいずれ傷口は塞がります。キロンの傷も同じように、歳を重ねるごとに痛みが薄れていく可能性は十分にある。ただ、神話からも分かる通り、受けた傷は生半可なものではありません。かすり傷のようにまっさらな状態に治るとは限らないのです。

寒い日に古傷が疼くように、ふとした拍子に痛みがやってくる。あるいは追憶によってーー。例えば、帝王切開の傷痕などは見るたびに当時の大変だった記憶が呼び起こされたりしますよね(昔は手術後の処置も痛みを伴うもので大変だったと聞いております)。

キロンが与える痛みは、もちろんリアルタイムで受けたものもあるでしょうが、ほとんどが過去の幻影によるものなのではないかと私は考えています。

ポーが自らの記憶によって悩まされたように。

もちろん、この考え方も数あるうちの一つの意見でしかありません。私とは違った見解をお持ちの方もいらっしゃると思います。

それでいいのです。星読みに正解はないのですから。

大事なのは自分の頭で考えて、自分自身が納得できる答えを打ち出すこと。これに限ります。

さて、キロンについて。あなたはどのように考えますか。