ほうき星を追いかけて

星のこととか、日々感じたこととか、いろいろ。

100パーセント自分の理想に適う人間など存在しない


みんな違ってみんないい(二度目)


そういうわけで、占い師じみたことをしている私ですが、以前は恋愛ものの相談も承っておりました。

まあ、お客様のほとんどが大学生でしたからね。少し経てば個性だの資格だの就活だの悩み始めますけど、その時は占いどころではなくなりますし。逆に高校生は進路についての相談が多かったです。アドバイスのみにしかカードを使わなかったので、もはや進路指導になっていましたが。

やっぱりね、大事な決断はタロットなどに頼らない方がいいんですよね。自分の頭から絞り出した結果を信じるのも大事です。いや、むしろそっちがメインか。タロットはあくまでツールだしな。意思決定をカードに委ねるとろくなことになりません。結局、他人任せの人生は不満を残します。

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話を戻しますが、恋愛の相談を受けていると必ずといっていいほど出てくる話題がありまして。お察しの通り、運命の人に出会えないという相談内容です。

それだけなら「焦らなくても大丈夫、カードで見てみるね」だとか、「ちょっとトランジットを確認してみるね」ですとか、こちらもそれなりに対応ができるのですが、困ってしまうのが「理想通りの人にいつ会えますか? 」という質問です。タロットに聞けないこともないけれど、あなた次第ではないかな。場合によっては、めちゃくちゃ厳しい結果が出てしまうけどいいの?……そう思ってしまいます。

別にね、理想を抱くのはいいんですよ。夢は成長の源です。だけど、その理想が王子様/お姫様のようだと難易度が高くなるというか。そう、口では普通の人がいいと言いながら、

「身長175㎝以上、年収も600万円以上。慎ましやかに整った顔立ちの持ち主。メンタルは安定していて弱音を吐かない。清潔感があって、センスがあって、優しくて……。浮気、ギャンブル、タバコ?絶対にしない。ついでにスポーツか音楽かに秀でていれば最高」

「身長160㎝以上(だけど俺よりは小さい)、年収500万~600万。美形かつ肉感的な肢体を持ち、それでいて清楚な立ち振る舞いをする。もちろんオナラなんてしないし、浮気もしない。だけど、自分の浮気は許してくれる。娼婦と淑女の顔を上手く切り替えることができる大和撫子。そうそう、年齢は20代でよろしく」

このような条件を掲げていると、ね。当てはまる方はいらっしゃるのでしょうけれども。

非常に書きづらいのですが、質問者が出会う努力すらしていないと、「本当に選ばれる覚悟があるのですか? 」という結果が出てしまったりするんです。ですから、まずはお仕事のスキルを磨いたり、趣味を作ってみるのはどうかと提案させて頂くのですね。人間、何かに打ちこんでいる時は魅力的になりますから。道中、好感を持てる相手に巡り合う可能性もありますし。

とはいえ、上記のような例はまだ易しいほうです。条件がはっきりしていますから。問題なのは、無意識に理想が高い方です。

「私、頻繁にステージが上がるから、人間関係が長続きしないんですよね。私の高い波動にも耐えられる人と出会いたいんですけど」

出た。ネクストステージ型。

キミ、スピリチュアルかじってるね。よし、仲間だ。一緒に冒険に出よう。

ステージや波動については否定するつもりはありません。気分がどんよりしている時は暗いオーラを放ちますし、心境の変化がきっかけで友人と疎遠になることもあります。ただ、毎回人と上手くいかなくなるのなら、それは自分側に問題があると考えた方がいいでしょう。

この手のタイプは、自分が不完全であるということを棚に上げて、相手の欠点ばかりに目を向けます。だから、一度や二度の摩擦で音信不通になる。そもそも人同士なんて、合わないことがデフォルトでしょうにーー。だって、同じ環境で育った兄弟ですら、上手くいかないことがあるんですよ。他人と最初からツーカーなんて、奇跡を願うようなものでしょう。大体、嫌いなところを含めて一緒にいたいと思うのが、恋人や友だちのはずなんですけどね。

そういったことを柔らかく伝えると、大抵の方は「そんな人と無理をして付き合いたくない」と言います。では、欠点が見えてもダメージがないように浅いお付き合いをしたらどうかと勧めると、今度は「薄っぺらな人間関係は嫌だ」とおっしゃる。

ふむ、その矛でその盾を突いてみてはどうかね

人と関わりたくないのなら、そのままでもいいと思いますけどね。人間不信な人、一人が好きな人、孤独に安らぎを覚える人。この世の中にはたくさんいらっしゃいます。そういった方々に私の考えを理解しろとは言いません。生き方なんぞ個人の自由でございます。

ただ、誰かと深い関係を結びたいのなら、完璧すぎる空想は捨てた方が上手くいくのではないかと思います。自分と同じように相手も生きた人間なのですから。

100パーセント理想通りの人間なんて、この世にはいないのです。