ほうき星を追いかけて

星のこととか、日々感じたこととか、いろいろ。

蓼食う虫も好き好き、なお話


唯一無二のあなたとあの人


さて、独白のような内容が多かったので、そろそろ視点を「私たち」に戻したいと思います。

こんばんは、わかばです。

ちょいと硬い内容が続いていたので、今日は雑談を。結婚について、思うところを書いていきたいと思います。とはいえ、私は婚活アドバイザーではないので、独自の視点でしか語れません。あくまでも参考程度に読み流してください。


出だしからアレですが、私の母は異性に好かれます。

こう書くと、年齢不詳の美魔女か、あるいは『私の嫌いなママ友図鑑』に記載されているような、他のパパに媚びを売る美人ママを思い浮かべるかもしれませんが、彼女はそんなタイプではございません。いたって普通の人です。本人曰く、「どこにでもいる気のいいおばさん」。私の目から見てもそう思います。

ですから、私の脳内に

・美人しかモテない。
・女性は若いうちしか需要がない。
・誰かを惹きつけるのに特別な要素が必要。

といった固定観念はありません。だって、普通の中年女性が好かれているんですもの。いい香りがするだとか、肌がすごくきれいだとか、そんなこともないんですよ。特別頭がいいわけでもありません。

一応、母の名誉のために申し上げておきますと、若い頃はそれなりに魅力的な人でした。すらっと背が高くて、肩を包むようにきれいな髪が伸びていて。「わかばのお母さんに会うと、なんだかいい気分になる。魔法使いみたい」ーー友だちの言葉を聞くたびに、自分を鏡で見ては複雑な思いに浸ったものです。

しかし、魅惑的な雰囲気を放っていた母も、今では普通の人。なのに、なぜか色んな年齢層の男性からアプローチされるのです。ぜんっぜんモテねえ娘は考えました。なぜ母は人から好かれるのか、と。

明確な答えは得られませんでしたが、おそらくは「人を条件で見ない」ことが親しみやすさとなって表れているのではないかという結論に至りました。彼女の人柄を語るのに、ちょうどいいエピソードがあります。

私が大学生になったばかりのこと。それまでは男の人の影を一切見せなかった母が、交際相手を紹介してくれるようになりました。お相手は、地元では有名な会社の社長さん。一流大学を卒業し、大手企業に長年勤めていたという経歴を持っています。

私はほっとしました。お相手が母に惚れこんでいるのはひと目で分かりましたし、何よりその「肩書き」に安心したのです。この人と結婚すれば、母は楽になるーー。胸を撫でおろし、吉報を待つこと数か月。とうとう、再婚を決心したという知らせが耳に入り、私は満面の笑みで挨拶に行きました。

指定されたレストランへ向かうと、そこには幸せそうな母の姿と、3歳児の姿が。

ええ、3歳児。どこからどう見ても3歳児。察するに、50近くは年齢を重ねているようですが、醸し出す雰囲気が……。何というか、子ども。紙飛行機を持って、「ブウぅ~ン」とか言っていても違和感がない。お顔立ちは前澤友作氏にそっくりで、笑うとほっぺがテカテカ光る。アンパンマンみたいだな。ていうか、あなた誰よ。

「母さん、あの、前に紹介してくれた人は……」

「ああ、いい人だったでしょ。一緒にいて本当に楽しかったわ。だから、別れたあとも友だちでいることにしたの。それはいいとして、母さん、この人と結婚することにしたから。今日からこの人が、あなたのお父さんよ」

「そ、そうなんだぁ」

急・展・開。

そうして、娘からの遠回しな反対になど目もくれず、母と前澤友作氏はめでたくゴールインしました。お金を持っていない前澤さんですけどね。10円配りなら彼にもできるかもしれません。

……何が言いたいのかというと、別に母のモテ自慢をしたいわけではなくってですね。「人はその気になれば誰でも結婚できる」ということをお伝えしたかったのです。

デヴィ夫人は、ご自身の著書の中でこう言いました。「愛はお金で買える」と。

「まず、年収200万円の男性との結婚生活。
結婚したらその男性を嫌いになってしまうのではないかしら?大昔の大和撫子はもういないから、(中略)でも、年収1億円稼ぐ男性は、あなたの生活を満たすことができる。」
ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ、『選ばれる女におなりなさい デヴィ夫人の婚活論』(講談社、2019年)143ページ


結婚生活に関わらず、お金は大事ですよね。その後のことを考えれば、「大好き♡」だけでは生きていけないのも確かです。

でもね、世の中には年収1億円の男性よりも、200万の男性がいいという方もいるのですよ。私の母のように。今回はたまたま例えが女性でしたが、外側の条件にこだわらない男性もいらっしゃると思います。

ここまで読んで、子育てが終わっているのと、そうでないのとでは立場が違う。そういったご意見が出てくるかもしれません。

しかし、母に関しては、前の結婚生活は裕福なものでした。貧しい生活が待っていると分かっていても、離婚する方を選んだのです。そして、文字通りたった一人で私を育てあげました。お金にこだわる人ならば、父(元夫)を手放さなかったことでしょう。

それでも、「価値がなければ結婚はできないんだ」と思う方は、私の実家においでなさい。一度わが父(元zozo社長似)を見てみるがいいわ。あれだけ完璧でない人も珍しいですから。

世の中をよーく見渡してみて。ナチュラルに性格が悪い方でも、過去に人をいじめたクソーー、いえ、おクソ野郎でも結婚している人はいらっしゃるでしょう?真面目に生きている方ができないはずがないんですよ。ただ機会がなかっただけで。
(もちろん、結婚をしないというのも立派な選択のうちの一つです)

他の方からのお誘いを断って、母は完璧でない父を選びました。あれから4年経ちますが未だに仲良く暮らしています。

蓼食う虫も好き好き。自分の個性を認めてくださる方は必ずどこかにいます。




なお新しい父についてですが、見た目通りの方でしたよ。小娘だった私に、男の人を育てようという決意を抱かせてくれた人です。マイ・フェア・おじさん。

それでも、ご縁が繋がった人とは何かしらあるもので、この父から教わったこともたくさんございます。一方で父の方は、私に不満はなかったらしく、「自分と似すぎていてびっくりした。俺の本当の娘かと思った」と……。

まあ、お父様ったら冗談がすぎますわ。私がお父様に似て、傍若無人かつ怠惰な人間だなんて……。いや、割と本気で笑えないな。冗談じゃないわ。