被害者であり、加害者である。
今週は余裕があるので、勇んでブログを書いています。こんばんは。
最近、リアルでブログを読んでくださっている方(知り合い)と会う機会が多いのですが、なぜ揃いも揃ってみなリアリストなのでしょうか。
いえ、お読みになること自体はいいんですよ。当ブログはどのような方でも大歓迎です。ただ、「ほうき星を追いかけて」は占いブログでしょう。スピリチュアルに興味のない方が読んで、面白いのかな?と。
これは、あれか。珍獣を観察して楽しむ的な、高尚な趣味の一環か。なるほど。……どんとこい。
というわけで、本題に移りましょう。今日はリリスについてです。
はじめに、リリスは天体ではありません。バーテックスなどと同じ、感受点と呼ばれるものです。バーテックスやアンチバーテックスについては、こちらの記事をどうぞ。
リリスには三種類あって、
1.月の遠地点としてのリリス(月の軌道上で、地球との距離が最も遠い地点)
2.小惑星としてのリリス
3.実際には存在しないダークムーンリリス。観察したという記録は残っているが、公式には認められていない。
今回は1について書いていきます。
さて、神話のせいかダークな一面ばかりが強調されているリリス。性的な意味や、人の裏の顔を表しているといわれています。天体でいうと、冥王星に近いイメージがありますね。
ただ、リリス=セクシーなのかと問われると、それは違うのではないかなというのが正直なところです。
私が抱くリリスのイメージは、
被害者と加害者
異端
抑圧された女性性
の三つです。性的なニュアンスもないわけではないですが、どちらかというとマイナスな意味が多いですね。
確か、ミカミ・ポーラ先生だったでしょうか。
「リリスが強い配置の人は色っぽいのか」という問いに対して、「リリスがいやらしいというのは、それこそおっさんの貧弱な妄想なのではないか」と答えた方は。
おっさんの貧弱な妄想。こちらを踏まえた上で、リリスに関する逸話を振り返ってみましょう。
彼女はもともと、男性に害を与える悪霊として語り継がれていました。世間知らずな男性を誘惑し、むだな種をまき、新生児を盗んで食べるというなかなかに残酷な妖怪だったようです。出産でなくなった女性の念から生まれたらしく、夫婦の仲を引き裂いた上で、子どもを食べるという言い伝えもあります。
リリスが攻撃性を表しているのは、おそらくここから来たのでしょう(下記のサイトさんを参考に書かせて頂いています)。
アダムの妻であったという説は、中世以降になって出てきたものです。
事に及ぶ際に、どちらが下になるかで口論。アダムの「女は下になるべきやで」に対して、リリスは「私たちは同じく*1土から生まれてきたのだから、平等の立場にあるはずだ」と主張します。
その後、リリスさんは家出。アダムさんの代理人たち(三人の天使)に復縁を迫られるも、これを拒否し、二度と楽園には戻りませんでした。
サタンの花嫁になっただとか、数々の悪魔と交わり、たくさんの子をもうけただとか、いくつかの説がありますが。イヴにりんごを食べさせたのは彼女なのではないかとも言われてますね。さもありなん……。
その罰が出産の痛みだなんて、なんだか作為的なものを感じます。もし蛇がリリスだったなら、きっとこうなることを知っていたのでしょうね。復讐としてはすばらしいですが、陰湿なやり方です。
さて、これらの話を加味した上で、感受点としてのリリスにフォーカスしてみましょう。
「加害者と被害者」
悪霊としてのリリスの面を見ると、加害者としての顔を持っていることは明確ですよね。
代理人さんたちに「楽園に戻れ。でなきゃ子どもを百人〇すぞ」と脅された時も、「私は子どもを害する存在だから(別にいいよ。逆に〇してやるわ)」と言い切っています。
その裏には、必ずといっていいほど嫉妬が潜んでいます。子を無事に生むことができなかった無念。それを手に入れている者への妬み、恨み。アダムへの期待と失望。リリスが自発的に働き、しかもネガティブな動きをした場合は、その言動の裏にこういった感情が含まれているのです。
対策としては、そのことについて早く自覚すること。自分の中の、こじれた「何か」に焦点を当てねばなりません。
一方で、彼女は被害者でもあります。後述しますが、時代の枠組みによって翻弄された女性。それがリリスなのです。
(リリスアセンダント合がこれに当てはまります)
「異端」
当然のこととして、旧約聖書外典や神話が創られた時代には、現代とは違った理想の女性像がありました。また、女性そのものの地位も低かったことでしょう。リリスのような自立した女性は、見方によっては「奔放な女」だと捉えられたはずです。
アダムとリリスのやり取りを読み返してみてください。リリスの主張は、現代なら正当な意見だと判断されることでしょう。しかし、書かれた当時の価値観にはそぐわなかった。彼女のような女性は、異端な存在だったのです。
思うに、リリスが強い配置の方がいじめられやすいのは、この変わった雰囲気にあるのではないかと。とにかく目につきやすいのです。ここでいじめられた経験がトラウマになって、加害者に転じる方もおられます。
対策としては、同じように変わった仲間を見つけること。それから、集団の中では口を閉じておいた方がいいかもしれません。思ったことを言葉にして伝えることができるのは素晴らしいですが、何でも話せばいいわけではありません。時には空気を読んで、黙っておくことも重要です。
独特な雰囲気を活かす手もあります。芸能界には、リリスアセンダント合をお持ちの方が何人かいらっしゃいます。
「抑圧された女性性」
こちらは少しスピリチュアル要素が入った見方になります。
リリスと対極の存在として描かれているのがイヴです。彼女は従順な女性で、また人類の良き母親でもありました。さすがに古いですが、貞淑で奥ゆかしく、愛情深い母親(妻)像が良しとされる風潮は確かにありましたよね。
(もしかしたら、今も続いているかもしれません)
リリスはそういった理想に潰された、女性のもう一つの姿だったのかもしれない。時代の流れにそぐわないがゆえに、「淫ら」だという烙印を押されてしまった顔。
余談ですが、リリスのマークはフェミニズム活動のシンボルとして使われているそうです。
さて、長々と書いてきましたが、伝わりましたでしょうか?
おっさんの貧弱な妄想というのは、古風な、一方的な見方のことをおっしゃっていたのです。実際、西洋占星術の歴史は男性が作り上げてきました。最近は女性の占い師が増えてきているので、新しい解釈が生まれるかもしれません。
リリスが不吉な存在ではなく、新しい創造性の源だとされる日が来ることを願っています。
あなたのリリスはどこにある?
wakaba-star.stores.jp